医療特撮部LOG

特撮好きな看護師の送る日々の記録

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Fの感情/ラストストーリーは突然に

本日は、外傷看護セミナーにいってまいりました。
外傷に関わる必要な知識・判断力を養うためはもちろん
外傷にあった患者の家族の心情にも踏み込んだセミナーでした。


俺たちが入院してメインに関わるのは
もちろん患者であることは言うまでもないのだが
患者の家族も看護の対象である。
もちろんこれは外傷に限ったことではない。

ある日突然に家族を失うという結果になることは珍しくないのだ。
そしてそれを目の当たりにして混乱してしまう家族は多い。

それは特に朝に多い。
朝になっても起きてこないからしばらくそのままにしていて
しばらくしても起きてこないからよくよく見たらもう息が…とか、
朝方、日課の散歩にでかけたきり戻らないから心配していたら
突然病院から電話が…なんてことはよくある話だったりする。

ことに前者はモーニングCPAと呼ばれ、すでに手遅れの可能性が高い。
最もこうなる患者はすでに既往歴になにかもっていたりするものだが…

ここで患者を救命することはもちろん大事なのだが
致死的なダメージを負った家族を目の当たりにする家族の感情も
俺たちは大事にせねばならない。

悪性腫瘍や難治性疾患と比して残酷な点は
本人にも家族に心の準備をする時間を与えないという点だ。
予告なるある日突然家族を失うという事実はあまりにも衝撃が大きすぎる。
なかにはまだ20歳にも満たない子どもが交通事故で植物状態になるなど
他者からしてもあまりにも痛々しい現実があったりする。

こうした事実を受け入れられない家族の心情を認め、受け入れ、寄り添い
そしてその力になっていかねばならないのだが
口ではこう言えるもののどう関わっていいのかがわからないのが本当のところである。
いろいろなマニュアルもあるし、理論もでている。
しかしそれで情動全てを把握できるわけではないし
ましてそれが万人共通にあてはめられるわけでもない。
ここに加えて自分の倫理観や看護観がのっかってくるのだからなお考えてしまう。

改めて記載するまでもなく意識はしているのだが
自分にとって病院で過ごすことは最早日常であり
ある意味で日々のルーティンワークになっているのだが
家族にとっては大事なひとを亡くす最初で最後の一瞬なわけである。
そしてそれは残された家族にとっては忘れ難い時間となるであろう。
その時間を共有し、かつよりよい別れができるよう介入せねばならない。
もちろん自分もその患者や家族に対して一片の悔いも残らぬよう介入したい。
そしてその場にいたのが俺じゃなければ、なんて嫌悪を抱かないようにしたいものだ。

今日のセミナーを受けて俺は最近反省しなければならないことがあった。

つい先日、自分の日勤の終わり際に患者が入室してきた。
高齢であるということ、出血がすさまじく救命の手立てがないことを理由に
手術適応ではなくなり保存的に点滴加療するということで入室してきたのだ。
家族である奥さんも高齢で認知症があり、ひとりで帰ることも院内を移動することも難しい。
そのため本来家族にしなければならない荷物の返却や
書類・入院の説明ができる相手である息子さんを待たなければならなかった。
息子さんには連絡したものの折り返しの連絡がなくいつ病院に着くかわからない状態で
日勤の時間が終わったため夜勤の看護師に引き継いだ。
ちょうどそのときに家族の方がそろったのだ。
なので医師に連絡し、病状説明の末DNAR(急変時の蘇生処置なし)の方針となった。
もう自分の仕事の時間は終わっていると言えば終わっているのだが
入院の説明などは時間がかかるため夜勤の看護師の仕事を増やすわけにはいかないので自分が行った。

医師の説明の直後、家族の人間がなくなるかもしれないというときに
俺は畳みかけるように説明を行い、荷物を返し、書類を渡した。
確かに仕事自体は早く終わったかもしれない。
だが、このとき俺は本当に家族の気持ちになっていたか?
相手の気持ちにたった立場でものを話していたのか?

2日後、出勤するとその患者の名前はなかった。
結局、入院してから12時間とたたずにその患者は亡くなっていたのだ。
あまり長くは持たないであろうという予測はできていた。
ならなぜ家族へもっと別の関わり方ができなかったのか。
悔しいし、悲しいし、なにより申し訳なく思う。



病院で何度も何度も、ある日突然家族を失う家族を見ているから
いつか自分もその立場がくるんじゃないかと思わざるを得ない。
ただ、どんな立場にあったとしても
そのときそのときの自分のやるべきことは全うしたいものだ。
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  1. 2010/09/19(日) 23:07:40|
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