医療特撮部LOG

特撮好きな看護師の送る日々の記録

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Lな患者/不整脈が止まらない

ダブルも終わったし、特撮レビュー系は一休みするので
ちょっと仕事のことでも書いていこうかと。
なにしろ全然書いてなかったからなー。
医療特撮部を謳っているのにいるのに医療ネタが少ないのはいかがなものかw

まぁいい、ぼちぼち医療成分を増やしていく。

これは今からもうずっとまえ。
まだまだ寒い寒い時期のとき、救急外来勤務のときのお話。



その日、俺は1・2次救急外来にてスタッフ勤務。

*1次は風邪とかただの腹痛とかそのまま帰宅しても問題ないもの
*2次は骨折とか腸閉塞とか入院が必要なもの
*3次は心停止とか交通事故など、生命の危機に瀕するもの



そこそこに忙しいなか1人の男性が運び込まれてくる。

「ちょっと胸の痛むを訴えているの、一番近いベッドにいれてー」

とトリアージの看護師(現在休職中だが、超がつくベテラン)から
その患者さんのことを引き継ぐ俺。

*トリアージは最大多数を助けるために患者の治療優先順位を決めること
 歩ける程度なら青タグ、ちょっとやばそうなら黄色タグ
 超やばくて死にそうなら赤タグ、もう手遅れなら黒タグがつけられる


胸の痛みというのは、一番考えられるのはハートアタック
ハートキャッチじゃないよ、ハートアタック。
ウルトラマンでいうならカラータイマーつぶされたくらい、やばい状況。
最もただの肋間神経痛ということも考えられるのだが
血圧、既往歴、待合での様子から優先度が高いと判断された模様。

とりあえずベッドにはいったので改めてバイタルチェックをして
心電図モニターをつけてみる。
一応普通に話はできているし、痛みは落ち着いてるみたいだが…



どーも、心電図がおかしい。




自信ないけど、多分これはⅡ度房室ブロック…
しかもモビッツのほうじゃないか?
HRは脈がとびとびでちゃんととれないけど40~50くらい?

*房室ブロックは心臓のなかの心房と心室の刺激伝導がうまくいかず
ちゃんと心臓が動かなくなるもの
なかでもⅡ度房室ブロックのモビッツ型とⅢ度は放置するとやばい。

これは報告しないとやばい、絶対やばい。


ということで、すぐに心電図をプリントアウトしてリーダーへ報告。
やっぱり房室ブロックが生じているだろうとのことで
すぐに十二誘導心電図をとることに。

患者に簡単に説明して心電図をとる。
リードをつけていざ心電図を…と思ったら
なんだか妙に波形が揺れる。

患者さんもブルブル動いているし
きっと筋電図が混入したんだろう、とか思った俺。
医師もそう思ったのか「動かないでくださいねー」と
モニターを見ながら言ってた…のだが!!

「ねぇ、それVFじゃない?」

というリーダーの声。

*VF:マクロスにでてくるヴァリアブルファイター…ではなく、心室細動
 心臓が細かく震えて正常な拍出ができない状態。
 放置すれば数秒で意識消失し、数分で死に至る致死性不整脈のひとつ。


よくよく見れば、いや冷静に考えれば
これはどう見ても筋電図の混入じゃなくってVFの波形…

「救急カートー!!」
「心マして!!」
「気道確保、蘇生板いれて!!」
「バッグ換気してー、O2 10lね」
「除細動器だして」


一気に医師が集まり、蘇生処置開始。

「あなたは記録して、介助もしつつね。
私は3次に連絡して準備してもらう」

いやこのごっちゃごちゃな状況でどうしろと…
まぁやるしかないんだけれども。

「ショックいくよ」

1回目、戻らず。

「もっかいショックいくよ」

2回目、戻らず。

「3次準備できたよ、いって!」

その後すぐ3次ERへ搬送。

ここからすごかった、本当にすごかった。



初めからいた1・2次ERの医師陣が蘇生処置を続行。
次に連絡を聞いて駆け付けた救急ドクターチームが
挿管、CV挿入、ルート確保。
続いてやってきたCCU(循環器)ドクターチームが薬剤指示を飛ばし
カテーテル治療をするためにカテ室の準備を指示。
そして一緒にきていた家族に現状を説明し、治療の同意を得た。

なにこの神連携。
なんとなくチーム医療の連携を目の当たりにした気がする。

まぁ俺は1・2次スタッフとして記録をしあげつつ
介助しつつ薬を準備しつつだったけど。

さてカテ室も準備し、全ての処置が済んで
とりあえず不整脈もおさまったためカテ室へ。
この間、ものすごい回数の除細動をかけたけどなかなかもどらなかったんだよな…



数十分後、カテ室からでてきた患者さんは点滴のシャンデリア状態。
ちょっと前までしゃべっていたひとと同じひととは思えない…
ちょっとしたショックを受けながらも
なんとか救命できて、ICUにいけたことには一安心。



それにしても運の良い、ラッキーな患者さんだったと思う。

適切なトリアージをされてベッドに運ばれたし
医師や俺らの見てる前でVFになったからすぐに蘇生処置ができたし
たまたま3次ERに患者がいなかったからすぐに移動できたし
たまたま救急もCCUドクターも手があいていてフル動員できたし
偶然、カテ室の準備練習のために循環器カテはすぐできるようになっていたし…
ものすごい運がよかったと思う。

病院にくるのがちょっと遅かったら道路か待合いで倒れていただろう。
ベッドに運ばれても誰もみていなかったらすぐに気付けなかったかもしれない。
3次に患者がいたらこんなにすぐには移動できなかったし
カテ室の準備が本当に偶然にもできていたから
ものすごい速い速度でカテ治療がスタートできたし。
全部このひとを待っていたかのような偶然。



ちなみにこのひとは無事に急性期を脱して
その後は一般病棟へうつっていった。

今もお元気にお過ごしだろうか。
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  1. 2010/09/07(火) 21:50:39|
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