医療特撮部LOG

特撮好きな看護師の送る日々の記録

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23歳最後の朝を血まみれで迎えた

俺が24日、23歳最後に受けた患者さんは交通外傷。
出血は続く、骨は折れてる、意識もない…

外傷は初めて受けたんですが、俺がショックに陥るかと。


AM6:30
「今日もホットライン鳴らないままだったなぁ…
まぁ鳴らないのがいいけど、
とりあえず薬品点検薬品点検…っと」

先輩「じゃあ私は休憩にはいるからね~」

「いってらっしゃいませ~」




ププッププッ



「げ(ホット鳴ったーーー?!)」

別の先輩
「今のホットライン、外傷みたい、だけどくるかはわからないよ。
とりあえず二報があるから、一応準備しておいて!」

「外傷は俺、初めてなんですが…」

「わかる範囲でやっておいて、先輩も呼び戻すから」

「了解(先輩がいないときに限って知らない疾患とは…)」

注)ホットラインは二報がある場合がある。
  状態が変わった場合や追加で情報がくる場合、
  最初のホットラインのあとに二報がなる。



で、準備して。



AM6:50

ププッププッ

「(二報か…)」

「優咲くん、さっきの外傷くるよ!
今から10分!」

「情報は?!」

「レベル200、血圧触知できず、HR130、四肢がどっか折れてるみたい」

「わかりました
(循環血液量減少性ショックの対応をする必要があるか。
四肢の骨折ならそこまでの出血はないだろうけど
ほかの部位も折れていたら…)」

先輩「戻ってきたよ!外傷だって?」

さらに準備を補強してくれる先輩。



AM7:00過ぎ

Dr「きたぞ!」

救急車が開けられてすぐにわかる。
ひだり足は折れてる。
そこから持続的に血液が飛び出している。
話しかけても意識はない。
呼吸はしているものの、胸の動きがおかしい。
ソケイ動脈も触知できない、末梢は冷たい。
ショック状態。

Dr「ベッドにいくぞ、せーの!」

そこから怒涛のように一斉に治療と検査が開始。
だが外傷が初めてな自分にとっては
基本的なことがわかっていないので
なにがどういう順番で、どんな目的で進んでいるのか全く見えず。

そしてレントゲン撮影中。

Dr「まずい、レートが落ちてきた」
Dr「検査やめよう」
Dr「心停止だ!心臓マッサージ開始しろ!
  それとすぐに開胸するぞ、準備!
  LEVELoneももってこい!」

注)LEVELoneとは、急速大量輸液をするための機械。
  外傷などで多量出血の場合、点滴ルートで全開投与しても
  間に合わないことがあるのでこの機械で高い圧力をかけて
  一気に点滴を押し流して循環を保たせる。

「(え?なんで開胸?つか、LEVELoneって使うほうが珍しい機械じゃ…)」

「優咲くん、いい?
今は外傷じゃなくてCPR、心肺停止の治療にのってるの。
だから挿管の介助について!」

「は、はい…(流れについていけない…)」

だが、心肺停止なら何度かは見ているので
なんとかその通りに動くことはできる。

でもそのあとに何をしていいかが全く見えない状態。

Dr「CVいれるぞ、ボスミンとアトロピン準備しとけ」

Dr「よし、開胸だ」



ひだり側胸からアプローチされ、肺が、そして心臓が見える。
そして心臓を直接マッサージしていくことに。

「貴方はどういう手技で開胸してるか見てていいよ。
こっちはやっておくから」

先輩の心遣いでじっくり開胸と開胸式心臓マッサージをみる機会を得た。

肺ってのは空気がはいるとあんなに膨らむのか。
心臓ってのはあんなに小さいのに全身に血液を送っているのか。

Dr「胸のなかに血がたまってる、吸引だ」

続々と吸引される血液はあっというまに1000ml以上。

俺「時間です、リズムチェック」

Dr「…脈拍触知、自己心拍再開」

Dr「よし検査していこう」

Dr「あ、脈が弱く…心静止、マッサージします!」



そうこうしているうちに時間は過ぎ、8時過ぎ。

「(まだ交代の時間にならないのか…)」

そして日勤のひとや、それ以外にも集まってくるスタッフ。

「(なんであんなに…そうか今日はイベントだからそのためか)」

Drは治療を進めている。
先輩はその治療をサポートしている。
救急隊は情報を整理している。
検査部は急いで血液をもってきてくれた。

俺は?

今、自分がやることがわからない。
次になにをするのか予測がたてられない。
どう、介助にはいっていのかがわからない。

記録さえもできない。

完全に棒立ち状態。



なんて無力なんだろう

俺はなにをしてるんだろう

外で見てる先輩たちに代わってもらいたい

そのほうがこのひとのためになる

なにもできない

なにも考えられない



床には開胸をしたために血だまりができ
Drは返り血を大きく浴びている
俺も気が付いたら手袋は血まみれになっていて
服にも血痕が残ってた



Dr「次…輸血してもダメだったらあきらめよう」


ちょうど、そのときが俺の勤務交代のとき。
申し送りをするが…情報がまとまってなければ記録も追い付いていない。

あとから記録を埋めようとしたけれど
自分が何を観察していたのか
どう処置にかかわったのか
いつなにをしていたのかが
全然、思い出せない。



結局その後30分とたたずにその方はなくなった。

改めて検査したら、頭の出血があり
胸は骨が折れまくっており
腹にも血液がたまっていて
四肢も折れていて
ひどい状態だった。

俺は、このひとがきたときにこうなるなんて全く考えていなかった。
だから開胸セットの準備もしていなかったし
急変時の準備にも足りないものが多かった。



家族が言うには、散歩にいったきり帰ってこないからおかしいと思ったそうだ。
朝、普通に見送りにだして3時間後の姿がこれかよ…

結局誰も救えなかったな。
患者さん本人も
家族の気持ちも
そして、交通外傷だから跳ねた人も…
当然、死亡という結果になったのだから傷害罪を通り越した罪になるだろう。
被害者が死ぬか死なないかは、加害者にとっても大きな分かれ道になる。



こんな短時間で無力さを痛感することになるとは思ってなかった。
長いようで短い、そして濃密な3時間の戦いだった。

もっと勉強しなきゃ。
こんなことを繰り返さないために。
もっとわかるために。

貴方が命をかけて経験させてくれたこと
必ず次のひとたちのために、つなぎます。
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  1. 2009/10/25(日) 13:45:00|
  2. 臨床奮闘日誌|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:4

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コメント

お誕生日

おめでとうございます^^

日記の内容が内容だけにちょいと戸惑いましたが外部ブログの構造がよく解ってないのでmixiにメール送っても届くかどうか不安に思いこちらに来ました。

しかし・・・すごい現場ですね。
私も血塗れで一生を終えるんだろうか・・・。
最近は女児アニメにハマっててこちらには来れてませんが今後も頑張ってくださいまし。
  1. 2009/10/25(日) 17:20:29 |
  2. URL |
  3. けちんぼシルバー #mB.BT9Ic |
  4. 編集

>けちんぼシルバーさん
どうもこんな日記ですいませんw
特撮分を多めに補充しましたのでご容赦をw
外部ブログでもmixiメッセージは普通に届きますよb
血まみれはほんとにすごかったです;;
はてさて、今度はどんなのがくるのやら?w
  1. 2009/10/26(月) 17:44:36 |
  2. URL |
  3. 優咲 #- |
  4. 編集

大変でしたね。
この経験を生かして大きく成長して下さい。
  1. 2009/11/01(日) 23:51:08 |
  2. URL |
  3. ひとのため #qcPysqvc |
  4. 編集

>ひとのためさん
コメントありがとうございます。
日々、精進してがんばっていきますb
  1. 2009/11/03(火) 00:33:52 |
  2. URL |
  3. 優咲 #- |
  4. 編集

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