医療特撮部LOG

特撮好きな看護師の送る日々の記録

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福島、産婦人科医逮捕の大野病院事件判決:無罪

亡くなられた方のご冥福を祈るとともに
予期せずして家族を失った遺族の心中は察するにあまりあります。

しかし無罪判決は妥当なものでしょう。


判決は朝、ニュースがでた段階で知っていましたが
その後の報道を待ってこの時間に記事アップ。

無罪判決は遺族の方には納得がいかないかもしれませんが…
医療従事者からすれば、無罪以外に判決はないと思ってます。

【<大野病院医療事件>判決に被告は安堵 遺族は目を閉じ…】
【「なぜ事故が」…帝王切開死、専門的議論に遺族置き去り】
【傍聴には多くの医師の姿―大野病院事件判決】

記事リンクしてある毎日新聞は医療崩壊に躍起になってるところですね。
どうにも記事の書き方に悪意があるように見える。
やっぱりこの記事だけだと誤解されるような書き方してるしね。
取材力がないのか文章力がないのか、悪意があるのか…
まぁ最近はそれどころじゃないレッテル貼られてますがw
新聞記事より以下のブログ様で情報収集したほうが確実です。

この事件に関しては以下のブログ様が詳しいです。
【勤務医 開業つれづれ日記・2:■速報 福島大野事件 無罪 「帝王切開で死亡 医師無罪判決」】
【産科医療のこれから】
【ある産婦人科医のひとりごと】

さて、この事件に関しての私見を少々。
初めに断わっておきますが加藤医師を過剰に擁護するわけでも
遺族の方を悪戯に糾弾するわけでもないことを明言しておきます。
そもそも産婦人科の医療に対する知識は俺にはないしね…(´・ω・`)

これまで集められた事件当時の状況を見る限り
加藤医師は医師として最高の努力をなさったと考えてます。
このようなことになってしまったのは不運だったとしか…
しかしこの事件がなくても、遅かれ早かれ同様のことが起きていたでしょう。
それほど切迫、かつ危機的状況の中でも
医師としての使命感から孤軍奮闘した加藤医師は凄まじいです。

最も個人の力でどうにもならないほど状況が悪化していたのならば
どうにかして助けを求めたほうがよかったんじゃないかな、と思います。
マンパワーを増やすなり、事件が起きる前に撤退するなり…
患者を守ること、産科診療をまもることはもちろん大事ですが
結果、こうした事態になってしまったのは
救いの手を差し伸べなかった行政側に問題があるかと思います。
まぁ、そう簡単に人材補強ができるほど予算にも人材にも
余裕が全くない状況は今も当時も変わってないので
助けを求めたからといって今回の事件が防げたかというと全くわかりませんが…
助けを求めるためのアピールはしていたかもしれませんが…
このへん、情報を知らないのでなんとも。

>加藤医師は初公判から
>「切迫した状況でできる範囲のことを精いっぱいやった」と
>無罪を主張しつつ、謝罪も口にし
>今年5月の最終意見陳述では
>「できる限り一生懸命行ったが悪い結果になり、非常に悲しく悔しい思い」
>と述べていた。

ここまでひたむきに自己犠牲にして地域医療に貢献し
かつ自分でわびるところはしっかり謝罪しており
患者を助けられなかった無念も徹頭徹尾持ち合わせていました。
この誠実さもあったから日本産婦人科学会を始め
多くの医療従事者が動いたのかなとも思います。

ていうかいろいろ情報を探ってみたら
>コレには他にも話があって、亡くなった患者さんは
>「癒着胎盤」という可能性がある方で、
>それを話すと取り持ってもらいにくいんだとか。
>だから、該当病院にはそれを黙って入院していたそうなんです。

伝聞だから確かとは言えませんがこれが事実なら
自らリスクを高めていたようなもの…
あらかじめわかっていたら別の結果があっただろうに…

加えて書けば、転院を勧めてもそれを断わり
子宮を摘出することも拒否したのは患者の意思であって
その制約の中でできる限りのことを加藤医師はやったのに
それをあとから「子宮摘出すれば死ななかった」という検察の主張は
全くもってナンセンスだというほかない。

そして遺族サイド。
出産の喜びから急転直下にこの事件が起きたとなれば
悲嘆のどん底に陥り混乱するのも医療者に怒りをぶつけるのも
その心情は理解できないわけではありません。

しかしこの事例に限らず医療があるから絶対に助かるわけじゃないです。
医療過誤は別として、救命のために最大限の力を発揮したのに
自分が望む結果じゃないからといってクレーム・訴訟は
診療行為の委縮を招くことにつながってしまいます。
最も専門知識が必要な分野だから
どこまでが医療の限界か、わからないのは仕方ありませんが…
事実、この事件を皮きりに多くの病院が重症の患者の受け入れを拒否し
産科医療をはじめ多くの地域医療が倒れました。

この事例でいくと
いかなる重症の患者であっても搬送されたら絶対救命。
そして家族が望む結果にできなければ訴訟。
犯罪者の烙印をおされてしまう。

医療者にも家族が、守りたい人が、支えなければいけないものがあります。
それらを犠牲にしてまで、自分が犯罪者になるリスクを負ってまで
現状で最善の手を尽くしても望まれる結果じゃなければ訴えられる
そんな状況で誰が医療を支えるでしょうか?
医者は神でも仏でもないですよ…

俺の好きな言葉にナースの詩集で
「私たちは白衣の天使じゃありません。
白衣をきた、ただの人間なのです。」

というのがあります。
そう、ただの人間です。

そういう危機感が医療者の間に蔓延させてしまったこと、
これこそがこの事件の最も大きな影響だと思います。
幸い、今回の事件では無罪判決がでたので
犯罪者にならずに済みましたが
もしまかり間違って有罪判決になっていたら…
この事件の終焉とともに医療も終焉していたでしょう。

>渡辺さんは判決を控えた今月12日、毎日新聞の取材に応じ
>公判で繰り返し謝罪した加藤医師に対し
>「わびるなら、娘が生きている間になぜ医療の手を差し伸べてくれなかったのか。
>絶対許さないという気持ち」と怒りをあらわにした。

相変わらず毎日新聞は医療崩壊促進に必死ですが…
状況を読んだ限り加藤医師は医療の手を差し伸べていました。
加藤医師でなくても、ほかの病院であっても
この結果を回避できたかどうか、甚だ疑問です。
多くの産婦人科医が「あの状況では妥当」と言ってます。
にもかかわらずあたかも医療行為を放棄したかのような
発言をされるというのは医療従事者としては心外だと言わざるを得ません。

>渡辺さんは判決前、「なぜ事故が起きたのか、なぜ防げなかったのか。公判でも結局、何が真実かはわからないままだ」と話した。

この一文に関して結構食いついている意見をみた。
加藤医師からもセカンド、サードオピニオンもあったろうし
なによりすべての公判を傍聴していれば少しわかりそうなものだから
なぜ真実がわからないのか俺は???だったが
多分頭のなかで自分の望む真実ができあがってるから受け入れられないんだろう。
だから受け入れられるようになるまでマスコミはおとなしくさせてあげるべき。
みたいな意見をみて、溜飲が落ちた気がした。

>娘の死の真実を知ろうと、医学用語をはじめ、
>帝王切開手術の知識を医学書やインターネットで調べ、ファイルにまとめた。
>医療事故を機に生活は一変し、「笑顔がなくなった」と語る。
>孫に「母親」を意識させたくないと、
>家族連れが集まる場所には連れ出さないという。

事実なのかもしれませんが、ラスト3行は余計でしょう。
いかにも悲劇性を煽り、遺族に対する同情感情をひこうとでもするような
いやらしい魂胆が透けて見える…というのは邪推でしょうか。
自分の姪は、病気によって父がなくなっため幼くして父がいません。
でもあちこちにでかけさせているし遊んでもいます。
その子の祖父母も、俺も父も姪と普通に接しています。
母親がいないならいないなりの育て方があるはず。
全く同じじゃないから一概にはいえませんが
家族連れを避けるようにしてしまうのは子どものためにならないかと…
いなくなった母親を意識したくないのは本当は子どもじゃなくて…

そもそも検察は「子宮を摘出すべきだった。そうすれば助かったはず」と
主張を行っていたらしいですが…できない理由もあったのです。
加藤医師の判断は産婦人科医としてプロフェッショナルでしょうから
俺がどうこう言うことはできませんが
母親は当時29歳でこの後の出産のためにも
子宮は残しておいてほしいと要望していたそうです。
検察の主張は結果論ばかりで全く臨床的ではない、と感じたのが俺の感想。
あぁすれば助かった、なぜそうしなかった
こっちのほうがベストだったはず、なぜできなかった
んなこたー落ち着いて結果がわかった今だから言えることで
じゃあそんなことが救命救急の切迫した状況でできるのかと。
そもそも医療の専門職としては加藤医師のほうが
圧倒的に知識も技術もあるだろうに検察の付け焼刃の知識で
どうして裁判がおこなえてしまうのかと疑問がつきません。
医療裁判をするための体制が整っていないのに
こんなことを続けて、しかも裁判員制度まで導入したらどうなるのかと。

そもそもにして逮捕の時点でおかしい。
当時の逮捕は予めマスコミに情報をリーク。
手錠をかけて連行するところを全国に報道するという
陰湿極まりない劇場型逮捕を行った警察を俺は疑います。
しかもこの件で警察が表彰されているというのがなおさら許せない。
この一件で、どれだけの患者を助けることができなくなったのか、
どれほど患者と医療者の間に不信感を植え付けたのか
地域医療の崩壊がどれだけ促進したかわかっているのだろうか。

そしてこの事件を受けてほかの医師は。
>「患者のために医師が行う本来の治療を本気ですることができる。
>医療者はこの判決を聞くまでは、
>腰が引けてしまって重症患者をほかの病院に送るなど、
>最善の治療を行うことから逃げざるを得なかった。
>今回は、彼が精一杯の治療を患者さんのために
>行ったことが不幸な結果になってしまった。
>しかし、この判決で、わたしたち医療者は勇気百倍になった。
>特に外科医療に携わる医師たちは、安心して医療ができるのではないか」

>「産科医の目から見て、同じ地域や状況にあったとしたら、
>私でも患者さんを助けることはできないだろう。
>30分で決着がついて不幸な結果になる。
>家族への説明がなかったとの指摘もあるが、
>あの状況では手を放すことなどできない。
>これで逮捕されるのでは、わたしたちは医療を続けることはできない」

>「そもそも刑事事件になるような話ではなく、無罪判決は当然。
>産科に限らず、重篤な患者は救急などをしていれば目の前に来ることはある。
>今回のケースは本当に難しいケースで、
>悪質な医療過誤などとは同列に扱ってほしくない」

明日病院にいったらドクターがいつも以上に張り切っていると信じたいw
もう大丈夫。
最善の医療をした結果、不幸な結果になって訴訟があろうと
犯罪者になってしまうことはなくなったのだから…
全て患者のために力を出し切ることができます。
医療の力を迷うことなく患者に捧げても大丈夫、
そういう判決がでたことを嬉しく思います。

mixiの記事やニュースのコメントをみると
前よりも格段に医療に対して理解あるコメントが増えてきてます。
もちろん遺族の方への配慮も忘れてなく。
俺はそれがもっともっと広がってほしいと思います。

加藤医師の苦労をねぎらう人
加藤医師ひいては産科医療を守るべく立ち上がった人
遺族の心情に理解を示す人
訴訟を起こした遺族に憤りを見せる人
両方に理解を示そうとする人
これからの医療に不安を抱く人
他人事な人
いろいろな記事を読んでいろいろな意見がありました。
多くの人に災禍と悲しみの爪痕を残して…
地域医療が瓦解した残骸を残して終焉するのか
再興の兆しとなるのか…1つのターニングポイントになりつつ
ひとまずこの事件は終わりを迎えます。
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  1. 2008/08/20(水) 16:11:37|
  2. 医療NEWS|
  3. トラックバック:0|
  4. コメント:2

VSする日々 | ホーム | 海外からの外国人看護師受入に関して諸々

コメント

俺も、この件は絶対に無罪だと思った。

っていうより、無罪であって欲しかった。

ただでさえ、出生率が低く、産婦人科医が少ない

日本で、これが有罪になったら今後、

産婦人科医がもっと減る。

医者だって、みんなぞれぞれ違うヒトに

対応してるわけだし、かならず分娩する

なんてできない。時には帝王切開にせざる

おえない状況があると思う。

産婦人科医は、いつもギリギリで難しい

状況に立たされてて、その対応があとあと

失敗だったってなっても、ヒトを殺すために

産婦人科医になった人なんて誰も

いるわけないんだから、最善を尽くして

その状況に陥ったら、悔しいけどその現実を

受け止めるしか他ないと俺は思う。
  1. 2008/08/21(木) 23:41:16 |
  2. URL |
  3. ジョージ #- |
  4. 編集

>ジョージ
まぁ納得できない遺族の感情がわからないではないんだよね・・・
だけど医療サイドの事情もわかるし
判決で出たとおりの事実ではあるから
こればかりは負けられなかったんだよね。
最も誰もかれもこの加藤医師のように
常に最善を尽くしているかというと疑問ではあるけれどw
まぁどっちにしてもこの事件を皮切りに
産婦人科領域は死んだも同然だから
これから無事に子供が産める環境が
戻るかどうか、ここが問題だよね。
  1. 2008/08/25(月) 00:57:25 |
  2. URL |
  3. 優咲 #- |
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